パン作りをしていて、必ず一度は経験するであろう「過発酵」。
失敗してしまってもなるべく美味しく食べ切りたい。
今日は過発酵について語っていこう。
過発酵とは何か
パンの過発酵とは、パン生地が通常よりも長く発酵されることを指します。
パン生地は十分な時間をかけて酵母が糖分を分解(発酵)して二酸化炭素を発生させることにより生地が膨らみます。しかし、発酵時間が長すぎると酵母が糖分を過度に分解して、二酸化炭素を生成し続けてしまいます。
こんな状態が過発酵
パンが過剰に発酵した状態が過発酵ということが分かったところで、過発酵がどのようなじょうたいか、見分け方を書いていきますね。
フィンガーテストで萎む
一次発酵が完了したか確認するフィンガーテストで、本来は指を引き抜いてそのまま穴が残る状態になれば適切に発酵ができた目印になりますが、発酵が進みすぎていると指を引き抜いた時、そのまま生地が萎みます。穴の周りにボコボコと気泡がたくさん出たり、皺がたくさん寄る場合も過発酵です。
そんな状態の生地に指を差し込むと、引き伸ばされていたグルテンが壊れて、生地の支えがなくなる→中のガスが抜ける…と、そのまま萎んでしまいます。
明らかに膨らみすぎている
フィンガーテストの他に、発酵完了は【生地が2倍になる】という目視でも確認できます。
- 生地が3倍、4倍になっている。
- 膨らみすぎて生地がボウルや焼型から溢れている。
過発酵パンの問題点
見た目 | パン生地を支える力(グルテン)が伸び切り、不安定な状態なので焼いている間に凸凹に潰れてしまったり、穴があいて空洞ができたりする。 |
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食感 | パン生地の中に過剰にガスが発生している状態なので、過発酵のパンには気泡が多く、ふんわり感がなく、パサパサした食感になりやすい。 |
味 | 酵母が過度に活動するとガスと一緒にアルコールが発生しますので、食べると強いアルコール臭やイースト臭(風味が酸っぱくなる)がする。また酵母が活動するためにたくさんの糖分が分解されるので甘みがなくなる。 |
過発酵パンの美味しい食べ方
さて、過発酵パンは何かと問題があることがわかりましたが、もし過発酵になった時に生地を捨ててしまうのは勿体ない!美味しく食べるリメイク方法がたくさんありますので紹介します。
一次発酵で過発酵になったら
ピザ生地
- パン生地を伸ばし広げ、クッキングシートの上に置き、フォークで穴を開ける。
- その上にお好みのピザソース・具材を載せて、250℃に予熱したオーブンで10分焼いたら出来上がり。
揚げドーナツ・揚げパン
- 好きな形に成形して、油できつね色になるまでこんがり揚げる。
- 揚がった生地にきな粉砂糖など、お好みで味付けをして出来上がり。
二次発酵で過発酵になったら
二次発酵中に過発酵に気づいた場合は生地をあまり触らず(生地が破れると萎んでしまう為)とりあえずそのまま焼いて、パンを完成させてください。
焼きあがったパンをリメイクしていきます。
パン粉
パンが冷めてからミキサーにかければパン粉になります。
フリーザーバッグ(保存袋)に入れて空気を抜いて冷凍保存することもできますよ。
クルトン
- パンを1cm角にカットし、フライパンに入れる。
- そこにオリーブオイルを加え、和えながら炒める。
- パンがきつね色になったら塩をふりかけ、できあがり。
フレンチトースト
- 卵1つ・牛乳100ml・砂糖大さじ1・(あればバニラエッセンス数滴)をよく混ぜた卵液に、食べやすい大きさにカットしたパンを浸けて卵液を絡める。
- フライパンでバターを溶かして①を中火で焼いていく。焼き色がついたら裏返して、蓋をする。もう片面にも焼き色が着くまで弱火で蒸し焼きにして出来上がり。
- 粉糖を掛けたり、はちみつ・メープルなどのシロップをかけるのがおすすめです☺バニラアイスを添えてもいいかも。
その気泡から卵液がしっかり染み込むので美味しいフレンチトーストが作れます。
過発酵にならないのが一番いいけど、なっても美味しく食べられるから、心配せずにパン作りを楽しみたいね!