我が家のクサガメが座敷亀のように過ごしているという記事(➡その記事はこちら)が何げにアクセス数があり驚いています。
【クサガメ_飼い方】のような検索ワードで来てくださっているようなので、しっかり解説:このページさえ読めば飼育方法が丸分かりなページを作ってみました。
クサガメに限らず、ミドリガメやイシガメなどの水棲亀に共通した飼育方法なので、ここでの表現は「水棲カメ」に統一します。
水棲カメに必要な飼育環境
主に水の中で暮らし、日中は陸地にあがり日向ぼっこ(甲羅干し)をする水棲カメたちに必要な環境は以下の通りです。
- キレイな水の中で過ごせる。
- 水に濡れない陸地で体を乾かせる。
- 太陽光(紫外線)に当たれる。
- 過ごしやすい水温・室温(甲羅干しする場所)は28℃~30℃
キレイな水
水槽に入れる水は、基本的に水道水をそのまま使って問題ありません。
カルキ抜きをおすすめする状況
- 生まれたばかりの赤ちゃんカメの飼育。
- 皮膚や甲羅に疾患があり治療中の場合。
水棲カメは文字通り水の中で生活します。
ご飯を食べるのも、排泄するのも、同じ水の中でするので、とにかく水が汚れます。
水が汚いと病気になるリスクが高まります。ご飯を食べなくなったり、水を飲まなくなったりして『水の中にいるのに脱水症状を起こす』なんてことも…。
こまめに水換えをして、キレイな水質を保っていきましょう!
👆🏻ろ過装置を使う場合はこちらがおすすめ!
これを使い始めてから1日置きにしていた水換えが3,4日置きになりました。
(東日本用・西日本用と分かれているので、購入の際はご注意ください!)
水に濡れない陸地
水棲カメは水から出てきて陸地や岩場に上がり、じっとして全身を乾かします。これは『甲羅干し』と呼ばれます。
- カメは変温動物のため、自分の体温を自分で調節ができません。その為、太陽光に当たり体を温めて体温調節をします。
- 紫外線に当たることにより体を殺菌して寄生虫などから身を守ります。
- 甲羅や皮膚を完全に乾かすことにより皮膚病を防ぎます。
- 太陽光に当たることでビタミンDを合成してカルシウムを吸収します。紫外線に当たらないとビタミンDが合成されず、甲羅が変形するような病気になります。
水棲カメが水から出て、陸地に上がり体と甲羅を乾かす(太陽光に当たる)のは大切なことです。
陸地が水没して、体の半分が水に浸かっているような状態にならないように注意しましょう。
太陽光
甲羅干しの必要性でもご説明しましたが、カメにとって太陽光は必須です。
- 太陽の熱で体を温める。
- 紫外線で体や甲羅を殺菌する。
- 紫外線でビタミンDを合成する。
「室内でしかカメを飼育できない」という人もいらっしゃると思います。そんな時に必要になるものが、【バスキングライト】と【紫外線ライト】の2つです。
この2つがセットで太陽の代わりになります。
下記にご紹介するライトに付けるスタンドはライトドームがおすすめです。
傘ですっぽりライトを覆うタイプで眩しくないので使いやすいです。内側がアルミ加工されているので光が反射し、ライトをしっかり照射できます。
バスキングライト
熱が発せられる保温用のライトです。
バスキングライトが当たる場所は温度が上昇し『ホットスポット』ができます。
紫外線ライト
紫外線を照射するライトです。
バスキングライトには紫外線が含まれないので、このライトも合わせて照射することで太陽の代わりが完成します。
水中ヒーター
水温が下がる時期は水温を一定に保つために水中で使えるヒーターが必要です。
水温が下がると食欲がなくなったり免疫が下がったりしてしまいます。
- 熱から生態を守る安全カバー付き。
- サーモスタット付きで、設定温度に自動調節。
- 万が一、通電中のヒーターが水から出てしまった場合、温度ヒューズが飛ぶ前に通電を遮断してくれるので、再使用が可能。
多くのヒーターは通電中ヒーターが水面に出ると安全のためヒューズが飛んで、その後使用不可になります。
注意する病気(原因と予防法)
ここでは飼育環境が悪くなることで症状が出やすい病気をまとめます。
ここに記載する病気の大まかな原因は
水質悪化¦日光浴不足¦栄養不足です。
こまめな水換え・しっかり甲羅干しできる環境を作り、栄養を補えるフードを与えることで防ぐことができます。
もしも病気になってしまった場合、自宅でできる治療方法もあるようですが、私はそれらを実践したことがないのでここではご紹介ができません。当てはまる症状を検索すると対処法が出てくるかもしれませんが、「もしかしてこの病気かも…」と思った場合は是非、爬虫類を診察してもらえる動物病院へ連れていってくださいね。
水カビ病
水質悪化により水カビというカビ菌が発生し、水カビ菌に感染することで
- 甲羅が白く変色する。
健康なカメでも甲羅を乾かすと白っぽくなります。水の中にいる状態でも白く見える場合は水カビを疑います。 - 脱皮以外で甲羅が剥がれる。
脱皮でないタイミングで甲羅が剥がれると下の肉が見えてしまったり、血が滲むことがあります。 - 皮膚(主に首や顔周り・手足)に白いフワフワ・モヤモヤしたものが生える。
脱皮した皮の可能性もありますが、脱皮の場合はヒラヒラしたものが付着します。綿のような物が皮膚に付いていたり、水槽内にたくさん浮遊している場合は水カビが疑われます。 - 皮膚が剥がれ、炎症が起きる。
風邪
- 水に潜ることができず、水面に浮いたままの状態が続く。
- 鼻水が出ている。くしゃみをする。
- 口を開けたままにしている。
風邪の原因は人間とほぼ同じです。
室温・水温が下がる冬場に症状が出る場合が多いようです。
30℃前後のホットスポットを確保し、水温も水中ヒーターを使用して28~30℃にキープしてください。
代謝性骨疾患(クル病)
- 甲羅が柔らかくなって、潰れたり変形する。
- 手足が曲がって歩行が困難になる。
- 甲羅が成長しなくなり、体を甲羅に入れることが出来なくなる。
カルシウム不足と日光浴不足が主な原因です。
カルシウムを吸収しやすくするためにはビタミンDが必要になりますが、ビタミンDは甲羅干しによって合成されるので日光浴をしっかり行います。
また栄養が偏らないようにカメ専用フードを与えます。よく食べるからと、エビ(おやつ)ばかりあげるなんてことは避けましょう。
水棲カメの飼育方法
- なるべくキレイな水質を保つ。水換えは1日~3日ペースで行う。
- 甲羅干しするスペースと水温は28~30℃にキープする。秋頃からGW頃までは水中ヒーターも必要。
- ろ過装置を導入することでほんの少しだけ水質管理が楽になる場合があります。
水槽が大きければ大きいほど(水量が増えるほど)水換えの頻度は抑えられます。
水槽が小さい場合はろ過装置を付けずに毎日水換えした方が多分楽です𓆉
また、水槽内の装飾品(敷砂利や人口水草)は不要です。
誤飲の恐れもありますし、何より汚れが入り込み掃除に手間がかかるだけなので、わざわざ入れないことを強くおすすめします!
水槽内をオシャレにするよりも『いかに楽に、手早く、水換えができるか』が重要です。そのくらい水棲カメの飼育は水換えが大変です。
我が家の飼育環境【室内】
10月半ば頃~梅雨明けまでは室内生活です。
- 水槽は押し入れサイズの衣装ケースを使用。
- 水の中にはろ過装置と水中ヒーターを設置。
- 陸地は水槽外に設置しています。
室内飼育環境のDIY
陸地はダイソーのジョイントラックで作っています。
ラックポール(39cm) | 4本 |
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延長ポール(38cm) | 4本 |
ラック用棚 | 2枚 |
固定部品 (4個セット) |
2個 |
メッシュパネル (ワイヤーネット) |
4枚以上 |
結束バンド | たくさん |
人工芝 | 3枚 |
我が家の室内環境【屋外】
梅雨明け~10月半ば頃はお外で生活します。
【洗太郎】という簡易洗い場の脚付きタイプを使用しています。
排水ホースが庭の水場に伸びているので、そのまま排水することが出来ます。
室内飼育より水換えが楽なのがメリット!
汚れた水をそのまま排水し、ホースからそのまま水を溜められるので、ろ過装置などは不要。
陸地だけ設置する簡単設計。
- 必ず、一部分に影を作る。
水槽全体が暑くなりすぎないように、すだれで半分影を作ります。涼める場所がないとカメも熱中症になります! - 網で必ずカバーを作る。
脱走防止はもちろん、野生動物(猫やカラスなど)からカメを守るためにも、固定して簡単に開かないカバーを付けます。
屋外飼育環境のDIY
【水槽全体】
洗太郎 | 1台 |
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メッシュパネル (ワイヤーネット) |
蓋として上面が覆える量 |
結束バンド | たくさん |
【陸地作り】
ストッカー | 1個 |
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人工芝 | 1個 |
結束バンド | たくさん |
レンガを積んで陸地を作ることができますが、ストッカーを使うことで陸地の下が隠れ家となります。デッドスペースがなくなるのでおすすめです。
陸地DIYは毎年模索しています。
また良さそうな方法を見つけたら更新しますね!
水棲カメの飼育についてまとめました。
飼育方法や環境作りのヒントになれば嬉しいです。
ぜひ素敵なカメ飼育ライフを!